日本全国の小京都から「みちのくの小京都」と呼ばれる秋田県仙北市の角館(かくのだて)をご紹介いたします。
佐竹氏の分家である佐竹北家の城下町として栄えた角館。明暦 2 年
(1656 年)に角館に入った佐竹義隣の実父は京の公家・高倉家の高倉永
慶であり、また、2 代佐竹義明も公家・三条西家一門である西郊家の西郊
実号の娘を正室に迎えたことから角館には多くの京文化が移入されまし
た。
その佐竹義明の妻が嫁入り道具の一つとして持ってきたしだれ桜が始ま
りで、樹齢300年以上の老樹など約400本の桜が古い町並みの中に立ち
並んでいます。そこに連なる武家屋敷群は重要伝統的建造物群保存地
区としても有名です。2 月から 3 月にかけて雛祭りの時期には「角館雛め
ぐり」というイベントも開催されていて、古い武家や商家で引き継がれてき
た享保雛や古今雛、押し絵雛などを期間限定で一般公開しています。
名物料理はきりたんぽや稲庭うどん、しょっつる鍋、お漬物のいぶりがっ
こなど全国的にも知名度の高いものが多く、また、特産品としては天明年間に北家家臣の藤村彦六が技術を習得し、
下級武士の手内職として定着した桜の木の皮で作る樺細工があります。情緒漂う角館、機会があれば是非一度訪
れてみたいものです。
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