島根県鹿足郡津和野町

今月の小京都は島根県鹿足郡津和野町をご紹介いたします。津和野は人口一万人にも満たない小さな町で、島根県最高峰の安蔵寺山など山々に囲まれた盆地にあります。1282年から地頭職の吉見頼行が約 30 年の月日をかけて山城を完成させ、その後関ケ原の戦で西軍が敗退すると、藩主は 14 代吉見広行から坂崎直盛へと移り、初代津和野藩主となります。
その坂崎出羽守があの有名な千姫事件で失脚後、明治維新までは津和野藩 亀井政矩の城下町となりました。津和野はまた日本を代表する文豪の森鴎外や近代日本哲学の祖といわれる西 周(にし・あまね)の出身地としても有名です。 殿町と呼ばれる地域では掘割に約 400 匹の鯉が 泳ぎ、5 月下旬からは 3000 本もの花菖蒲が咲き乱れます。また、そこにはカトリック教会、藩校養老館跡、郡庁跡、 津和野藩家老多胡家表門などの史跡も立ち並んでいる観光名所で、その掘割は太鼓谷稲成神社の参道に通じて います。約千本の朱色鮮やかな鳥居のトンネルを 300m ほど進んだ先に太皷谷稲成神社があります。この太皷谷稲 成神社は全国で唯一「稲成」と書く稲荷神社で、これは観望成就のためだそうです。 街なかにはタカツヤ伊藤博石 堂という創業 200 年の老舗漢方薬局があり、そこの一等丸という丸薬は、典医の家に生まれた森鴎外が軍医部長と して日露戦争の出征の時に胃腸薬として携帯したそうです。今でも当時を忍ばせる店内で、レトロな袋に入った一等 丸が市販薬として購入できます。また町には鴎外の旧居もあります。
詳しくはこちらをご覧ください。→津和野町観光協会のホームページ http://tsuwano-kanko.net/