モディリアーニ

長い首の肖像画を描くことで有名なモディリアーニは 1884 年にイタリアのトスカーナ地方で林業や銀鉱を経営していたユダヤ系イタリア人の家に生まれました。しかしモディリアーニが生まれた頃に家は倒産しています。
14歳の時にデッサンの指導を受けるようになりますが16歳で結核に罹ります。療養後にヴェネツィアの美術学校へ入学し、1906年には母の援助でパリのモンマルトルでアトリエを借り、本格的な芸術活動を始めます。そしてピカソやドラン、藤田嗣治などの画家たちと交流を持つようになりました。彼らと同じく意欲的に美術展へ出品しますが、残念ながら評判は芳しくありませんでした。その後、彼はアフリカなどの民族美術に影響を受けた彫刻作品を意欲的に制作します。
1917 年には最後まで連れ添ったジャンヌと出会います。またその年に画廊で存命中最初で最後の個展を開きますが、裸婦画を出展したことが原因で警察が踏み込み、一日で撤去する事態となってしまいました。結局貧困と飲酒や薬物による不摂生により結核性骨髄炎で 1920 年に 36 歳の若さで亡くなりました。その 2 日後にジャンヌも彼の後を追いました。彼女は妊娠 9 ヶ月でした。
モディリアーニの残した作品の殆どは肖像画と裸婦で、顔と首がとても長く、目には瞳を描き込まないのが 特長として知られています。作品が評価されるようになったのは彼の没後 10 年程が経ってからでした。そ んな彼の作品「横たわる裸婦」が今月の 15 日に NY のサザビーズで 172 億円で落札されました。これはサザ ビーズのオークション史上最高額の取引となりました。
■アメデオ・クレメンテ・モディリアーニ(Amedeo Clemente Modigliani)
生没年:1884 年 7 月 12 日—1920 年 1 月 24 日
作品タイトル:「ジャンヌ・エビュテルヌ/Jeanne Hébuterne 」1919 年制作