バンクーバーの秋は見事である。スタンレー・パーク公園入口付近のコールハーバーに面するシーウォールには朝夕、夏冬、潮の干満時など変化に富む風景が見られる。水上に建つローイング(競艇)クラブハウスも潮の上下で建物のスケールが変化するのが面白い。バンクーバーに来て間もない頃、2度違った日時に同じ建物を対岸から描いたことがある。前面の様子が大きく違う2枚の絵が出来上がっていた事を壁に飾ってから気づいた。建物1階分程違うものであった。投稿の水彩はシーウォールに沿って秋の強い陽が芝生にくっきりと影を落とし、木々が黄葉紅葉など混ざり合い、様々に光り輝いている10月の午後である。
現場写生水彩画: スタンレー・パーク 2018年10月
8”×8”(200cm×200cm) アーチス水彩紙
カナダアーティスト連盟(FCA) 2018 8 by 8 Exhibitionに出展
昨秋は大阪・京都・奈良を拠点にして、高野山、福井永平寺、四国と広島と、何かにひかれるように仏教の古道を辿るようにしてスケッチをしていました。関西の秋の紅葉は11月でありあちこちで色づき始めた紅葉が美しく目に入った。時期的には11月20日頃の京都東寺の紅葉が最も素晴らしかった。
現場で往々にして立ったままのスケッチは、ミュージック万年筆にカーボンインク使用で、着色は時折帰宿してからのものである。 以下にこの形式の水彩画を2、3点ご紹介したいと思います。
■現場水彩スケッチ
奈良葛城市当麻寺(推古天皇の612年創建)の東塔西塔。2019年11月。125×220cm水彩スケッチブック: スティルマン エンド バーン製Zetaシリーズ
■現場水彩スケッチ
夕陽で黄金色に輝く京都東山知恩院の三門。 2019年10月。知恩院は浄土宗の開祖である法然上人で知られ、念仏が中心の教えが此処から始まった。午後4時には三門は閉められて一般観光者は外観のみ眺めていた。夕暮れの空に半月が白く輝く時刻の無数の烏の群れが印象的だったので、この絵は三門の半部しか収める時間しかなかった。125×220cm水彩スケッチブック:スティルマン エンド バーン製。Zeta シリーズ。
■現場水彩スケッチ(上左の絵)
四国巡礼24番札所 室戸岬にある最御崎(ほつみさき)寺、若き空海修行の地がこの近くの岸壁に在ったのだ。2019年12月初旬。
125×220cm水彩スケッチブック:スティルマン エンド バーン製。Zeta シリーズ
拙作では到底カバーし切れない日本の秋なので京都東寺の日本一の五重塔を擁する紅葉で季節を楽しんで頂きたいと願っています。
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