7 月 21 日(月曜日)の午後、JTB の会議室をお借りして、「安全で快適なシニアライフを楽しむ」と銘打った特別教養講座を開催しました。サマーシーズン真っ盛り。さまざまな予定でお忙しい中にも係わらず、およそ40名もの方々にお集まりいただき、講師のお話に耳を傾けました。講師である澤田泰代氏の簡単なプロフィールは末尾で紹介しますが、2013 年 7 月から、桜楓会掲示板に「シニアの皆様に向けた、お金と暮らしの一口メモ」と題した耳寄りな情報の掲載をお願いしています。現在 15 回まで投稿を頂いていますが、この後も継続して執筆をいただく予定でいます。
澤田講師には、私たちがここバンクーバーで、安全で快適な生活を送るための秘訣を、経済的な面から、そしてセキュリティの面から、便利で有意義な情報を通して、語っていただきました。講演はまず、人生の前半と後半で異なってくる収入と支出の関係、豊かな後半を過ごすための経済計画、そして暮らしを支える収入の構造の一部として、日本の年金制度、カナダのRRSP や年金の制度、カナダでのシニアの生活支援制度などについてのお話から始まりました。そしてお金にまつわるリスクとして、投資の市場のリスク、長生きをすることによって生まれてくる経済的なリスク、そしてインフレによるリスクなどが挙げられ、こうしたリスクを少しでも回避するために、しっかりと情報を集め、場合によっては専門家に相談するなどして、はつらつとした長生き人生を楽しむことが大切であることが強調されました。
後半では、バンクーバーが「もっとも住みやすい街ランキング」ではほとんどいつも上位を占めているが、一方で不動産価格の高騰が影を落としていることや、バンクーバー周辺のいろいろな公共機関によるサービスの内容、デパートやレストラン、映画館や旅行社等による、シニア向け割引などのサービスが紹介されました。
1時間を超える講演のあとで質疑応答の時間が設けられ、いくつかの質問が寄せられました。こうして特別教養講座「安全で快適なシニアライフを楽しむ」は盛会のうちに終了しました。ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。そして関係役員の皆さん、お疲れ様でした。
【講師・澤田泰代氏のプロフィール】
石川県・金沢市の出身。
短大卒業後、野村證券金沢支店に 5 年間勤務。その後ヘッドハンティング会社の縄文アソシエイツで、リクルーティングの業務に従事する。その後渡加(バンクーバー)。
2004 年にバンクーバーのサイモン・フレーザー大学(SFU)経営管理学部を卒業。旅行業を経て、2011 年にファイナンシャル・セキュリティ・アドバイザーとして独立。主に日系の方々を対象に、個人の貯蓄プラン、生命保険、がん保険といった分野でサポートをしている。
一方、日系コミュニティでたくさんのボランティア活動を実践してきている。2011年から企友会副会長。そのほか、さくらディ・ジャパンフェア実行委員会幹事、日系合同新年会実行委員会役員、トモエアーツでもボランティアとして活動。
特別教養講座に参加された受講者からの感想が届いています。以下にご紹介します。
『毎日の雑事に追われておろそかになっていた、シニアの資産管理について、考える機会を作ってくれた興味深いセミナーでした。特に、カナダで就業したことがない日本人にとって、カナダの年金制度の説明は、有益な情報だったと思います。
また、民間サービス-シニア割引については、身近であっても意外に知らないことが多いのに気づかされました。ささやかな節約でも。「ちりも積もれば山となる」かもしれません。
もう少し欲を言えば、シニアの資産管理についてのリスクについて、市場リスク・インフレリスク・長生きリスクの他に、為替リスクがあると思います。特に日本とカナダの両国に軸足を置く日本人にとっては、無視できない重要なリスクです。
日本の財政破綻が噂されていますが、もしそれが顕在化すれば急激な円安になり、日本からの収入を生活の糧にしている日本人の生活を直撃するでしょう。難しいテーマではありますが、カナダに住む日本人シニアのための為替リスク対策など、何かの折にお話を聞きたいと思いました。』
(藤野美津子さんからの投稿)
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