中医学健康講座「健やかな毎日のために心がけること」

3月14日火曜日、日系文化センター楓の間にて、中医学師の中元優子さんによる健康講座を桜風会主催で開催いたしました。まだまだ寒さ残る中、総勢44名もの参加があり、会場も満席となりました。講演は、まず最初に先生から会場の皆さんに「今すぐ“ありがとう”と思う事を5つ思い浮かべられますか?」という質問で始まりました。
次いで本題に入り、「健康について」という項目で、中医学の治療において西洋医学とは違う部分の説明を受け、中医学の中でもよく知られている陰陽説や鍼治療、ガラスの器具を使って施術するカッピングの効果やお灸などについても興味深いお話を聞きました。さらに明日からでもできる実践編として、体全体に500ヶ所もあるツボの中から主となる5ヶ所を教えて貰い、その場所の見つけ方から押し方、その効果なども分かり易く説明して頂きました。
薬膳料理の項目では、いかに薬膳が毎日の生活に取り入れ易いか、また具体的な素材についてもお話し頂きました。その一例として食事に出来るだけ取り入れたら良い食材をまとめて「ま(豆)・ご(胡麻)・や(野菜)・さ(魚などシーフードや肉)・し(椎茸や茸類)・い(芋など根菜)・果物」という覚え方があり、これをほぼ毎日三食の中に取り入れると、それがすでに薬膳ですよ、とお話くださいました。体に良いと思ってあまり神経質に無農薬野菜に拘ったり、頑張って薬膳料理を作ったり、一生懸命運動をしすぎたりして、逆にそれにストレスを感じるようになると、それが一番体に悪い事に繋がってしまうので、もっと気楽にバランス良く生活することが一番大切だと仰っていらっしゃいました。
講演の最後に自宅でできる簡単なストレッチも実演を入れながら楽しく教授してくださいました。そして一番重要なこととして先生が強調されていたのがストレス軽減法に関して。一般的に言われているようにストレスは万病の元。それを軽減するために「笑顔を保つ」と「普段楽しみにしている事を考える」を推奨なさっていらっしゃいました。そして講演最初に仰っていた「ありがとう」と思えることをいつも考えて穏やかな毎日を送るという事が中医学においても一番大切な事ですと締めくくっていらっしゃったのが印象的でした。講演は拍手喝采で終了しました。中元先生、貴重なお話をありがとうございました。
(村上典子役員)
追記:講演で中元先生が紹介してくださった誰でも簡単に作れる薬膳の豆乳スープのレシピを記載しておきます。
=豆乳スープのレシピ=
材料(4人分)
豆乳(600ml)、桜海老 (大さじ2もしくは適量)、 ブロッコリー(一房ほど)、アスパラガス(2本ほど)、干し椎茸(6枚ほど)、えのき茸(一袋)、わかめ(好みで適量)、昆布(5cmぐらい)、薄口しょうゆ(大さじ1弱)、ごま油(小さじ2) 
(材料の野菜は冷蔵庫の残り物など好みでお試しください。また分量も適量です。)
作り方
昆布、干し椎茸は少しの水で戻す。鍋に豆乳と全ての材料、干し椎茸の戻し汁を入れ、強めの中火にかける。豆乳が沸騰する直前に火を止める。最後に調味料で味付けをして出来上がり。