ヴェネツィ アとその潟


今月の世界遺産はイタリアから「ヴェネツィ アとその潟」です。イタリアの北東部にあるヴェネ ツィアはアドリア海の潟の上に築かれた、運河が 縦横に走る水の都です。5 世紀頃ゲルマン族の 進入から逃れるために、当時湿地帯であった場 所に街を作ったのが始まりといわれていて、その 後海洋貿易での立国を目指し、十字軍の遠征に よる権益の拡大などで繁栄は最盛期を迎え、そ れは 15 世紀半ばまで続きました。 ヴェネツィアの街は 100 以上の島々が、およそ 400 の橋と150 をこえる大小の運河で結ばれてい ます。陸上の道路は迷路のようになった路地で、 そこには乳母車や荷車など人力のもの以外、自 動車など動力の付いた乗り物は一切乗り入れ出 来ません。何世紀もの間、馬車や車の代わりに市内の輸送を担ったのはゴンドラと呼ばれる手漕ぎボートで、今は水上バスや フェリーが住民や荷物を運んでいますが、皆さまもご存知のとおりゴンドラも観光用として存続しています。近年は地下水の汲 み上げや温暖化などによる地盤沈下が問題となっていて、それに対応するためにダム建設の計画が検討されています。