7月9日(火)日系文化センター1階コミュニティー 室で“温泉”と“ワイン”の講演会が開かれました。
(参加者48名、ワインの試飲付きですのでライセンス をお持ちの渡辺さんにもご出席いただきました。) 先ず、11時半から“BC州の温泉の話”、九十九さんから講師のマイク佐藤さんを紹介していただきました。 佐藤さんは福島県会津のご出身、22才から世界33ヶ国 を歴遊、1973年トロントに落ち着いて毛皮ビジネス。 温泉に興味をもってBC州在住。世界各国の温泉数は 日本、イタリー、アメリカの順でカナダは120ヶ所で6位、85%がBC州で、あとはアルバータやユーコンなど。ほとんどが未開発で商業的なものは11ヶ所のみ。佐藤さんは88ヶ所を踏査しました。新しい温泉を探すには古い文書を研究したり言い伝えや人の話を聞いたりしますが実際にその場所をつきとめるのは並みたいていではない苦労だそうです。そしてそのほとんどが州有地にあり、カナダでは日本的な温泉の開発は大変難しくほとんど不可能だそうです。
温泉に興味をもつ人は多いのですが、カナダには温泉法がなくスイミングプール法の適用となり、成分規制がやかましく、飲み水に準じる水質が求められ、非常にきれいな単純泉でないと開発出来ないということです。こんななかで佐藤さん達はペンバートンから70キロのミーガ ークリークにカナダ唯一のプール法適用除外の温泉を経 営しております。非常な山間で宿泊施設はありませんが脱衣所はあります。
またスクワミッシュから44キロの所に有望な候補地をもち、ボーリング試掘の準備中であります。
次いで、お弁当の昼食後、1時半から、会員の大西康之さんによる“BC州のワインの話”を伺いました。大西さんは日本の大手洋酒メーカーの輸入販売の責任者をされ、ワイン業界では有名な方です。
アメリカ、カナダを含め世界のワインはフランスのぶどう品種から夫々の地に育っていったので、そのおおもとの品種から話をはじめられました。ボルドー (フランス 西部の地名)の赤ワインには、場所によってCabernet Sauvignon, Cabernet Franc, Merlotの3種のブドウが主に使われ、同白ワインにはSauvignon Blancや Semillonなどが使われます。ブルゴーニュ(フランス 中東部)では赤にはPinot Noir、白にはChardonnay種がつかわれます。これらの種がCalifornia州、 Washington州、BC州などで使われそれらの国ではラベルにぶどうの品種が書いてあります。フランスでは地域 により大凡ぶどうの品種が決まっていますからラベルに収穫された場所の名前を書き、ぶどうの種類名は書きません。
ワインはぶどうの種類と産地、生産者の技術により香り・味わいが微妙に異なり甘口、辛口、軽み、重み、渋み等々が違ってきます。よく、どの品種がおいしいのかとか、どのワインがおいしいのかとか聞かれますがそういう決まりはありません。値段が高ければおいしいと決まったものでもありません。どんな食べ物にどんなワインを合わせるかということもありますが、それもふくめて、要はあなたがおいしい、のみやすいと思ったのがい ちばんおいしいのです。 Mission Hill WineryのChardonnay、Sauvignon Blanc,、Jackson Triggs のMerlot、Cabernet Sauvignonその他、Pinot Grist種、Gamay種、Pinot Noir 種、Zinfandel種等々9種類のワインを試飲しました。またワインの色々な基本的なことを話していただきました。ブドウ果樹の糖が発酵してアルコールになるのだが、この発酵度合いを調整し、途中で止めるほど甘味がのこり発酵が進むほど辛口となる。一般に、ワインのアルコール度は8-12度(%と同じ)です。糖度の高い late harvestやアイスワイン、特殊な菌が着いた貴腐 ワインなどもあります。高級赤ワインは栓を抜いて 30
分-1 時間室温になじませるとよい。
ボージョレのGamay種は赤ワインでも若くして飲める品種である。だからボージョレヌーヴォーとして出来たてをお祭りとして飲み、その年のぶどうの出来を試す。
VQA (Vintners Quality Aliance)はカナダのワインの一定の品質を保証するもので、安心して飲めるが少し高くつくこともある。またVQAがないから駄目なワインということではない。
Okanagan Valley地域は地質がSauvignon BlancやPinot Gri種によく合い、なかなか良いワインが出来ている。やや南のPentictonやOsoyoosあたりもこれからますます良くなるだろう。
白ワインは8-13度Cが飲みごろ(甘いのは8度C)、赤は18度ぐらい。手の温もりで温度を変えないようにグラ スに足が付いている。特に白ワインは足の下の方を持つこと。試飲は先ず香りをたしかめ、適量(15cc程度)を口に含む。口の中でころがして芳香と味をみて一寸のどごしをたしかめ吐き出す。酔ってわからなくならなければそのまま飲んでもよい。水かパンで口の余韻を消し次の ワインに移る。 たいへん楽しい講演と試飲会で、終わる頃にはホロ酔い の方も見うけられました?。
(終了3時)
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