バス旅行 クートニー・オカナガン
8月19日(月)から22日(木)まで、オカナガン・クートネ ーの温泉・ワインを味わう旅行が、会員39名、会友12名、計51名の参加のもと、行われました。3泊4日という桜楓会としては画期的に長期で、総距離1680キロ、バスで過ごした時間22時間30分という長旅でしたが皆元気に帰って来ました。あとでお疲れが出た方は居られなかったでしょうか?
初日は、早朝、野崎会員の好意でお借りした教会の駐車場を出発、一路東北へ向かいHope, Merritt, Kamloops 経由Salmonn Armで昼食、更に東へ向かった後Revelstokeで南下、Upper Arrow湖をフェリーで渡って、Nakuspの温泉へ向かいました。Shuswap, Upper Arrowとそれぞれ趣の違った湖と時折氷河を戴く緑濃い山々を楽しむ道中でしたが、通常は順調な筈のフェリー待ちが、政府の予算削減で就航船数が半減したうえ夏場の混雑が重なって長蛇の列となり、長時間掛かったのは予定外で、一時は幹事さんが頭を抱える場面もありました。フェリーを下りて湖畔を走る間、温泉博士佐藤さんのお話をいろいろうかがいました。Nakusp温泉は山間の渓流沿いに在り、カナダでは高温といえる41度の湯なので長旅の疲れを取るには格好の湯加減でした。その夜は麓のNakuspのホテルに投宿。
二日目は、朝のしんと静まり返った湖畔を散策の後ち、New Denverの日系強制収容記念博物館を訪問、当時から在住の日系の方々とお会いし、当時の経験談を聞きながら展示物を見、茶菓の接待を受けました。過去の忌わしい出来事に深く新たに心を痛めつつも、それを乗り越えて元気に過ごしておられる日系人の逞しさに感慨を覚えました。New Denverから少し離れたSandonは20世紀初頭栄えた鉱山町のあとに強制収容が行われたところで、最も環境が劣悪だったと言われています。夏の明るい日差しと訪れる人の姿のお陰で、陰惨な感じは受けませんでしたが、雪深い山奥の長い冬と荒れ果てた鉱山の廃墟を重ね合わせると、その過酷さが容易に想像されました。道中、会友菅原さん提供の日系人強制収容に関するビデオやお話もあり、改めて60年前の嘆かわしい出来事を思い起こし考 え直すひとときでした。Kasloの小奇麗なレストランで昼食の後Kootney湖に面するAinsworthにチェックイン、早速有名な洞窟温泉に入りました。鍾乳石の間から滴り落ちる温泉と湯気に蒸されながら洞窟を通り抜け、プールに出て山と湖を遠望するこの温泉は、また格別なものがありました。夕食は湖を展望するホテルの食堂で賑やかに味わいました。夜、素晴らしく美しい満月が昇り、湖面に見事な光の道を描き出していました。
三日目は、Nelsonに向かう途中、Kokanee Creek Parkに立ち寄り、思いがけずKokanee Salmonの遡上を見ることが出来ました。Nelsonでは、地元の元鉄道員が制服で案内してくれ、橘田さんの通訳で、百年以上も経つ古い建物や、今もなを稼動しているビール工場を見た後、 湖畔のホテルで昼食。午後は、進路を西に転じて、一路
Kelownaに向かい、お昼寝をしたり、桑原茂子さんを始めとする皆さんのリードでなつかしのメロディーを唱歌したり、大西さんの美声、筧さんの詩吟を聞いたり、松丸さん、菅原さんのお話に耳を傾けたりしながら過ごしました。ホテルで、今度は少しお洒落な服装に着替えて、丘の上の果樹園にあるレストランへ向い、傾く夕日の中で徐々に暮れなずむオカナガン湖を遠望し、大西さんお勧めのワ インを味わいつつ夕食を頂くというちょと贅沢な時間を過ごしました。
最終日は、この旅行のもう一つの目的、ワイナリーの見学とワイン・テイスティング。前日の大西さんのワインに関するお話で得た知識を思い出しながら、湖の西岸のなだらかな丘陵に広がるブドウ畑にある中堅規模ながら良いワインを造るQuail's Gateを訪問。製造工程を見学、白・ 赤・アイス様々なワインを味わった後、それぞれにこれはと思うワインを買い求めました。次に、BC随一の規模と 生産量を誇るMission Hillも訪問。ソムリエ志願の日本女性のワイン談義に惹かれて、またワインを買い込んだ人も居りました。Summerlandの川上山荘は湖を眼下に見下ろす素晴らしい傾斜地にある果樹園で、川上夫妻の心のこもった自家栽培の野菜をふんだんに使った和食を頂き、スモモや桃を木からもいで食べたり、芝生にねそべって景色を楽しんだりしながら、旅の終わりを思い思いの過ごし方をしました。つい時間をすごし、また荷台一杯に積み込んだ会からお土産の箱詰の桃と皆が買った大量のワインと久しぶりの和食で満腹の乗客でバスの速度ががたんと落ち、帰り着いたのは予定を1時間以上過ぎた8時20分でした。
温泉・ワイン、そして日系人苦難の史跡を訪ねた4日間、誠に味わい深い旅となりました。これはそれぞれの専門を極められた、大西さん、佐藤さん、菅原さんなどの懇切な解説・お話があったからこその成果だと思います。また、藺守さん、松丸さんからも良いお話を頂きました。 誠にありがとうございました。
1年近く掛けて企画・立案・下見・準備をされた幹事の皆さん、どうも有難うございました。バスの中で気分がだれそうな時、土地にまつわる説明やクイズや面白い話で、飽きさせない努力をしてくださった九十九さん、ほんとうにご苦労様でした。特に最後のビンゴゲームの盛り上がりは見事でした。

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