今世紀に入る前から都市・建築・科学技術界では2030年に向けて地球温暖化に対する方策や法律、公共の施政方針等が盛んに制定や改定と共に世界で多くの努力が為されて来たと思っていたのだが、自分自身直接設計の仕事上ネットゼロの課題に関わって以来既に20年立ってしまって居る事に気付く。そして問題は身の周りに現実として現れ出して居るのだ。
カナダへ来た当初(1966年夏)コロンビア・アイスフィールドの氷上にチェーン付きの雪上車で行きクレパスの上を歩いたりした事があるのだが、その頃は氷河はハイウエイの数十メーターの側まで流れ降りてきていたのを覚えている。その後40年後に訪れて驚いたのは、1キロ以上撤退していたのである。地球温暖化で気象変化が起きカナディアンロッキーの氷河は過去125年間で後退縮小し始め、現在までに1.5キロも後退して居ると言う。見学用バスも大型観光バスに変わり、氷河の上流まで登らねばならない様になった。最近、バス転落事故やクレパス転落人身事故など多発である。ロッキー山脈で観ると地球は早い速度で変化して居るのだ。やはり、我々の地球環境保全への努力のペースは自然界の変化に追い付いて居ない様だ。
最近の西部カナダ、北西海岸地方での異常乾燥・山火事・熱波は凄まじい限りだ。カナダに限らず世界中でこれらの災害が同時に起こっており、その他豪雨、台風、ハリケーン、土石流など未層有の様な大災害が起こっているのはやはり地球温暖化現象が因となっているのでしょうか。地球の事を考えるとこのような不穏の心境になるのだが、スタンレーパークのセカンドビーチでは砂浜の青い海藻と黒々した貝殻岩は大胆に顔を出し、その先まで歩けば白い砂浜ビーチが青々とした海で涼を取る人々で賑わった。6月27日は40℃以上に昇る様な午後であった。
6月21日頃から始まった熱波の陽当りの強いビーバーレイクに出かけた。睡蓮の花が満開で赤、白、黄色の花が水面を隠すように池を覆っていた。ピラミッド型のビーバーロッジに住むビーバー達は水中で涼しい日陰を楽しんでいる様だった。
カナダのCovid-19パンデミックは、ワクチン接種が人口の80%近くまで進み一応収束するかの様だが、変異株が強烈に出回り始め未だ安心できない様子だ。こんな中6月末にヒートドームが掛かり停滞しカナダ西部諸州では記録的に気温が上がり山火事が蔓延し、B C州では大勢の熱中病による死者が出る始末となった。此の様なヒートウエイブ(熱波)は今後繰り返されそうだと思われる。今夏は、色々な花の開花期がずれたり、纏まって同時に咲いたり、色々なベリー類が同時期に実ったりしているなどというニュースも耳にする。此の様な気象状況下6月末に通常花を開く沼の菖蒲が B.C.大学の新渡戸紀念庭園の菖蒲田で7月初旬になって二週間ほど咲き続けた。開花中には桜楓会の複数グループが散策出来たのは幸いであったと思う。下の絵は7月2日に友人を誘って絵を描きに行った時。
スタンレーパークの薔薇園は例年通り見事に咲いた様子である。日中は気温が異常に上がったので日没前のゴールデンアワーにもう一度出かけたら、日影が長く尾を引いて光が鮮明で素早く陽が落ちるまでに描き上げる事が出来た。此の時間はカナダガン達の夕食時であったらしく、多勢の若者達を引き連れ群れて懸命に食べさせていた。見張り役が先頭に立ち私にぐっと近寄ってきて何か言いたそうに絵を描く人を観察していた。公園は最近コヨーテが人間を襲うので夕方には閉園するので水彩画は短時間で纏めて帰宅した。
2021年7月27日午後7時
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