今夏は地域風景を可能な限り楽しむ事が出来た様な気がするのは、矢張り続くコロナの規制の所為だと思う。足をそんなに遠くまで延ばさなくても近くには未知の場所がある。私は2013年初夏にリタイヤ生活にバンクーバーセンターに移って来た。それ以来数年はアーバン(都会)でのスケッチ活動を通して当地を観察していたのであるが、ウエストコーストの海岸線すなわちフレイザー河に関係する各所に興味が出てきた。何故なら歴史を有り有りと語ってくれる所が散在しているからである。
コロニー農場、2021.08.18
コキットラム市にあるコロニー農場地域公園は、バンクーバーからは散々東方に走った上で辿り着くコキトラム河とフレ―ザー河の合流点にある。個性豊かに作られたコミュニティー・ガ―デン(地域の共同農場プロット)が広がり、周囲は蛇行するコキトラム河の湿地帯と灌漑用水路などで生まれた自然保護地区(梟、渡鳥や生物の有名な)になっている。炎天下の長い曲がりくねった野道を行くと、子供時代に遊んだ豊中の気配が出てくる。地べたに座る様にして田園風な景色を懸命に描いた。運河から野道の反対側の自然保護区の湿地に水を上げる緑のポンプ小屋と電柱とが何とも言えぬ程素朴なbucolic landscape(田舎風景)に見えた。
アラクセン国立野生生態保護区の最西端は広い洲,サリッシュ海を望む。2021.08.24
エザム・アイランドはフレイザー河口の広々としたデルタ地帯の突端にある島でスティーブストン町の対岸にある。鮭漁業が盛んであった20世紀初頭から1942年まで日本人がこの地で大活躍していたのである。対岸にあるこの島にも足跡が残されている。最近朽ち果てた日本人の物らしき漁船の残骸がこの島の沼地(アーウイン・スルー)で見つかったと言われている。此処はアラクセン国立野生生態研究地域と呼ぶ国立研究所公園に在るトレイルは自由に歩ける。ご存じのジョージ・ライフェル渡鳥聖域(マイグラトリー・バード・サンクチュアリー)がこの島の西端に接続している。
Ellis Herb Farm(エリス香草農場) ウエザム・アイランド 2021.09.22
夏の終わりにかけて野菜や香草の収穫に忙しく働いていた。築1890年と言う軸組木造の乾燥倉庫でにんじん、ポテト、玉ねぎや香草類の出荷準備が行われていた。上記のジョージライフェル公園のすぐ隣にあるので苺積みや野菜の買い出しには持ってこいである。
フレイザー河口にあるブリタニアシップヤード、スティーブストン町 2021.09.04
この地で行われた恒例の屋外写生コンペに始めて参加した。グランプリレースと呼ばれて朝9時から「ヨーイ、ドン!」で4時間の競技が始まるのである。自分で用意しておいた額縁に入れて提出する時間も含まれる。雨の中で与えられたテントの下で描いたのだが、幸い展示されるやすぐに売れていた。これには驚いたが、言い値で売れていたので少々自慢物だ。右の絵に描かれた右手の船は偶々その数日前に河口ツアーに乗ったギクーミ号(Voyage of the Gikumi: Exploring the Fraser River Estuary)の3時間のツアーだ。フレイザー河口の船ツアーが非常に楽しかった。このツァーは河の両岸を叮嚀に案内してくれ、ラドナー村の港にまで寄った後更にジョージ・マッセイ・トンネルの上で360度転換してスティーブストンまで戻るというルートである。御参考まで。
Sea Island Conservation Area のLog Boom(材木筏流し場) 2021.09.28
フレイザー河口に材木の筏流しが行われる。絵のシーアイランド保護地域の堤防からマクドナルド・ビーチ、イオナ・ビーチを経て、BC 大学南面のパシフィック・スピリット地域公園沿岸にまで続く河面には材木筏流し場が延々と続く。静かな河面だと思っていると数々のタグボートが大きなバージを引き河を上下していて常時交通は頻繁である。
スタンレイパークのコールハーバーに面するローイング・クラブを見下ろすロバートバーンスの銅像
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