バンフィールド周辺

今年の初夏には海岸線の風景画を描きたいと考えているので三年前の秋に絵描きグループの合宿旅行で体験したバンフィールド周辺で描いた数点のスケッチを再び取り出してみたい。(2020年8月ニュースレターの地図参照) 太平洋に面するバンクーバー島西海岸線は非常に変化に富んだ地質形状が特徴的である。北からキュウコットサウンド、ヌートカサウンド、クレイヨコットサウンド、バークレイサウンド等多くの海峡域が南のユアンドフカ海峡、ガルフアイランドへと続く。 ナナイモ港に近いポートアルバーニ市から狭く長いフィヨルドのアルバニー入江をフェリーで約8時間程かけて下ると大平洋に面するバンフィールドに到着する。ここはブロークン群島国立公園のあるバークレーサウンドで、其処からウクルエレット・トフィーノ間の国立公園に行く事が出来る海路の基点である。カナダ海洋科学研究所のあるバンフィールドから始まる原生林の徒歩七日間の有名なウエストコースト・トレイルがポートレンフルーの町まで繋がるのである。バンフィールドの周辺は鮭漁が長年盛えた村である。近年は鮭の激減で静かに成っている様だ。
この周辺の海岸線に見られる風景は地殻変動、風化侵食で出来た高い岩の塔が見られるので興味深い。岩の塔の天辺に何百年間か生き続ける樹木が印象的だ。岩の塔は地質学では”Sea Stack” と呼ばれる。同様の地質現象はこの海岸線上ではオレゴン州でも多く見られる。大陸北西海岸に添い南北に走るユアンドフッカプレート(岩盤)が北米大陸プレートと衝突する線上にあり、ユアドフカプレートが大陸下に押し込まれたらしい。約1万年前に起こった氷河解凍期に海水面が浮上した後の侵食作用らしい。   

上:イーグルベイ 下:ブレイディースビーチ にて