North 40 Waterworld

10“H x 14”W、300lb

ラフ水彩紙使用冷戦時代この近くにはカナダ軍隊のコミュニケーションセンターが設置されていたそうだ。デルタ市のバウンダリー湾の北に接しバウンダリー空港があり、その北側の森は働いていた当時の人々の為の住宅地区になっていた。従ってオンタリオ通りとか、アルバータ、セントローレンス、スキーナなどとカナダの親しみ易い道路名が幅広い舗装された街路の後に残されている。その通りには数々の住宅が建ち並んでいたらしい。住まいの形跡は残されていないが、区画から見ると明確である。この不思議なムードの宅地には樹林が育ち鳥の鳴き声のする森や藪が辺りを覆っている。大木のオークなどが目立ち、地上は水に覆われ何とも言えないムードを与えている。周りで懸命にイーゼルを立てて絵を描くアーティスト達は美を求めるのに集中しているのだろうか? 

僕はここに光の変化の激しい水中の大木肌を見て1995年のUniversal film;Waterworld を思い出していた。ケヴィン・コストナー主演の地球環境滅亡後の世界を描いた小説の映画化である。両極地の氷が完全に溶け、7600mも地球上の水位が上がりドライランドは残っていないと思われていた時代の文明の想定である。この物語ほど地球文明が変化してしまうのは恐怖であり寂しさを感じてしまう。
デルタ市のこのOff-leash Dogパークに入り妙な気持ちになった。此処に住んでいた人間はどうなったか?と。おそらくこれは自分一人の妄想であろう。この地域一体は大きなフレイザー河デルタ地帯で広い湿地帯になっている。バウンダリーベイとフレイザー河サウスアームの間は、国際的にRamsar Wetlands Conservationとして指定されて居る。