堀切の花菖蒲

歌川広重の浮世絵「堀切の花菖蒲」をご紹介いたします。
これは名所江戸百景の中の一枚です。花菖蒲は5月から6月にかけて咲く花。戦国時代から江戸時代ごろに東北地方から江戸へと持ち込まれたそう。当時の庶民に大変人気があったため栽培が盛んになりました。
この絵は堀切村の百姓伊左衛門の菖蒲畑を描いたもの。この頃の堀切は湿地帯で菖蒲の栽培に適していたそうです。
全景の菖蒲を画面いっぱいに大きく描き、遠景には菖蒲鑑賞にきた人々を描き込んでいます。構図はもちろんのこと色使いも素晴らしく、水面の青と、朱色から上部の青へのグラデーションにより、菖蒲の花に影を感じながらも浮かび上がった印象を与えています。
現在も東京の堀切には花菖蒲園があり、葛飾区の指定史跡となっています。時期になると毎年葛飾菖蒲まつりも開催されています。
堀切という地名は葛西一族の城郭跡からと言われています。
葛飾区の堀切菖蒲のサイトはこちら
http://www.city.katsushika.lg.jp/institution/1000096/1006888.html