Hollyburn Fir -ノースショアの歴史的な大木を訪ねて

ノースショアの山は鬱蒼とした針葉樹林に覆われています。しかし、20世紀初頭に多くのエリアで伐採が行われたため、現在見られる山林の多くは伐採後に植林した二次林です。100年あまり経過した現在、これらもかなりの大きさに育ち、生態系の重要な主役となっています。実はこうした二次林のなかに、時折目を見張るような巨木が混じっていることがあります。なんらかの理由で伐採を免れ、現在に至るまで生き延びているこれらの巨木は、old growth と呼ばれ、ハイキングトレイルの途上でこうした歴史的な古木に出会うたびに、そこに秘められた途方もないエネルギーに畏敬の念を抱かずにはいられません。


今回は、ウエストバンクーバーのHollyburn Mountain山腹にそびえるDouglas Firの巨木、通称Hollyburn Firをご紹介したいと思います。


Douglas Fir(学名Pseudotsuga menziesil)は名に反してfir(モミ)ではなくマツ科トガサワラ属で、和名は米松(ベイマツ)、北米の西海岸に多く生育する針葉樹です。年を経たDouglas Firの樹皮は、厚くゴツゴツとして迫力があります。


Hollyburn Mountain南山腹のOld Brewis Trail沿い、標高678m地点に、樹齢1100年と推定されるDouglas Firの巨木があります。幹の直径は約3m、樹高は43mあまり、木の根元に立って見上げても、先端はよく見えません。1900年頃、この一帯では伐採が盛んに行われていましたが、当時はRed Cedar(米杉)が珍重されていたため、Douglas Firは伐採を免れたと言われています。Hollyburn Firの周辺には、朽ちかけた巨木の切り株が点在しており、old growthの巨木が林立していた往時を想像してみるのも一興です。1100年前といえば、西暦922年、日本では平安時代です。この木が経てきた年月を考えれば、バンクーバーの歴史やまして人間の一生などほんの短い時間に過ぎないと認識させられるのです。


Hollyburn Firについての詳細は以下が参考になります。
https://bctreehunter.wordpress.com/2019/06/06/the-hollyburn-fir/

Hollyburn Fir

Hollyburn Fir先端見上げ

Red Cedarの切り株

Hollyburn Firプレート