「生命の樹」Western Redcedar

Western Redcedar(学名Thuja plicata 和名米スギ)は先住民にとって極めて重要な存在で、BC州の州木にも指定されています。爽やかな芳香には防虫効果があると言われ、今日も建築に多く使われているので、我々にも馴染みの深い木材です。
先住民は、Western Redcedarにスピリチュアルな力が宿ると信じ、「生命の樹」として敬意の念を払ってきました。木材はカヌー、トーテムポール等に使われ、さらに樹皮や根も籠やロープの材料となりました。しかし興味深いことに、先住民が利用したのはもっぱら倒木や枝などで、生きている木の伐採は稀だったそうです。
ヨーロッパ人の到来に伴い、old growthの樹木の大規模な伐採が始まりましたが、幸運にもそれを免れたWestern Redcedarの巨木の例をご紹介したいと思います。

グラウスマウンテンの東側、Mosquito Creekの対岸にそびえるのがMt. Frommeです。お碗を伏せたような山頂の形状から、かつてはDome Mountainとも呼ばれていました。20世紀初頭にこの一帯で伐採を行なっていたLynn Valley Lumber Companyのオーナー、Julius Frommeの名が、現在は公式名となっているのはいささか皮肉です。
Mt. Frommeの東斜面、標高約310m地点に、樹齢600年と推定されるWestern Redcedarが堂々とした姿で立っています。樹高約55メートル、幹の直径は4メートル、幹の表面にはコブが盛り上がり、上部で枝分かれしています。大きすぎて伐採に向かないとして、残されたのではないかと推測されています。
Mountain HighwayからBig Cedar Trail経由でアクセスできますが、急坂箇所もある狭い山道ですので、しっかりとした登山靴とハイキングポールは必携です。トレイルの詳細については、以下のサイトが参考になります。


Big Redcedar 東面


Big Redcedar 南面


Western Redcedar の切株

Big Redcedar 見上げ