これは誰の声? 真夏の夜の怪 チゴイネルワイゼン サラサーテ2023.07.26 05:44もうすぐ8月。夏の盛りですね。今回は、真夏に付き物の「怪談」の類を少々…。ハリウッドでもリメークされた日本映画「リング」は、それを見ると一週間後に呪い殺されるという奇怪なビデオテープを巡るホラーでした。これはもちろんフィクションですが、世の中には心霊写真と同じく、そこにあるはずのないものが写りこんだ動画の映像がいくつもあります。それらは「心霊ビデオ」と呼ばれたりしますが、その大半は見間違いかフェイクのようです。しかし、そのどちらとも言いがたい代物もあるようで、また音声のみの録音テープやディスクなどにも、奇妙な音や声の入ったものがあります。ドイツ語で「ジプシーのメロディ」を意味する「チゴイネルワイゼン」は、19世紀スペインのバイオリンの名手サラサーテが書いた曲です。情熱的で哀しいロマ族(ジプシー)の音楽に関心を寄せていた彼がロマのハンガリー民謡を素材に、重厚かつ華麗なバイオリン曲に仕立て上げたのが同曲です。 オリジナルは、バイオリン・ソロと管弦楽の協奏曲風の作品ですが、後にピアノ伴奏のバージョンも作られました。この曲は、発表当初から人気を博し、早くも20世紀初め(1904年)には、彼自身のバイオリンとピアノ伴奏で、レコード録音がなされています。実はこのレコードが、何やら不思議な人の声が混入しているという、いわくつきのものなのです。この時代の音盤は、78回転という高速だったため、後のLPやCDなどと比べて、片面に録音できる時間がはるかに短かいものでした。そのため、この時も全三楽章から成るこの曲の第1楽章の終わり頃に、おそらく「残り時間が少ないので、第2楽章はとばして第3楽章へ。」といった意味のことを誰かが口走り、それが録音されたのだろうと言われています。まだ録音の編集が不可能だった時代の、いわゆる一発録りだったため、それが商品として世に出てしまったというわけです。声の主が、演奏中の作曲者なのか録音技師なのか、今となっては不明ですが、その言葉どおり、このレコードの片面は、第2楽章がピアノ前奏だけで途切れて終わってしまうという珍品でもあります。https://youtu.be/gv1aBPP7NnY チゴイネルワイゼン サラサーテ自作自演 3分38秒から謎の声 (裏面は第3楽章のみ)夏目漱石の弟子である内田百閒(ひゃっけん)は、この音盤を題材に「サラサーテの盤」という小説を書きました。さらに、その作品をもとに「ツィゴイネルワイゼン」という映画も作られました。(監督 鈴木清順) これらはホラーにこそ分類されないものの、思わずゾッとするようなその不気味さが、むしろホラーよりも怖ろしいという感想を抱く人が何人もいます。(私もその一人です。)https://youtu.be/HM6V65VyDB4 小説 サラサーテの盤 朗読 宮崎稲穂https://youtu.be/GVQ45gUnIMM 映画ツィゴイネルワイゼン https://youtu.be/EHXhdPHhUMw ツィゴイネルワイゼン予告編https://youtu.be/WFX1NO-gsBk サラサーテ チゴイネルワイゼン全曲 第2楽章はハンガリー民謡「ジプシーの月」最後に、70年代に人気を博した日本のフォークソングのグループにまつわる「不思議な声」のお話です。それは、彼らのコンサートの録音テープに残されたものでした。ステージから客席へ挨拶するメンバーの低い声に、突如、高い声が被さってきます。しかし、 それは、会場にいる人の声ではないように聞こえます。彼らの生の歌声を聴くことを切望しながら、重い病のため、このコンサートの直前に病院で亡くなった女性ファンの声だというのが、当時からの言い伝えです。オカルト現象を科学的に解明しようとする人たちによれば、これは心霊テープではないとのことですが、本物か否かは皆さんご自身の耳でお確かめください。https://youtu.be/czZA3Xx1Tdk コンサートの不思議な声 (日本のテレビ番組から) 0コメント1000 / 1000投稿
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