死と浄化 秋山和慶さんをしのぶ2025.05.25 14:59 元旦は冥土(めいど)の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし 一休宗純今年の1月、指揮者の秋山和慶さんが亡くなった。84歳だった。元日に大怪我を負ったというニュースもショックだったが、まさか その月のうちに旅立ってしまうとは・・・。まるで一休和尚の歌を絵に描いたような死だっ...
帝王も完敗だった 永遠のアレグレット ベートーヴェン2025.05.25 14:37今年は第二次世界大戦終結から80年の節目の年です。日本の敗戦は8月ですが、ナチス瓦解によるヨーロッパ戦線の終結は、それより早いこの5月でした。ナチスドイツと 連合国の戦いを描いた映画は数多くありますが、その中の一つに「英国王のスピーチ」(2010)があります。1939年、ポーラン...
元祖モーニング娘⁈ マンドリン協奏曲 ヴィヴァルディ2025.04.26 00:15いよいよ春本番ですね。春と聞いて真っ先に思い浮かぶ曲は、ヴィヴァルディの「四季」の1曲目「春」ではないでしょうか。どれほど多くの人がこのバロックの名曲を耳にしてきたことでしょう。ただ、彼にはその他にも優れた作品がありますので、今回はあえて「四季」以外の名曲をご紹介します。「春」と...
「ゆがんだパール」のアクセサリー 組曲「鳥」レスピーギ2025.03.25 19:39♪春は名のみの風の寒さや 谷の鶯(うぐいす)歌は思えど時にはあらず♪春の歌「早春賦」の冒頭です。日差しは明るくなったとは言え、この歌のように朝晩の冷え込みにはまだ冬の名残があります。しかし、最近はこの歌とちがって、鳥たちが 軽やかな鳴き声を聞かせてくれるようになりました。古来、鳥...
聴衆は身じろぎ一つしなかった…嘆き リャードフ2025.02.25 21:35寒さ厳しい今月ですね。こんな時は明るい音楽もいいですが、冬らしさを前面に出した曲も悪くないかもしれません。失恋した時や落ち込んだ時は、明るい曲で無理やり自分を鼓舞するよりも、悲しい曲に浸った方が心の回復が早いという(心理学や音楽療法で言われる)「同質性の原理」の応用です。20世紀...
先頭打者ホームラン オンブラ・マイ・フ ヘンデル2025.01.26 01:50明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。1月は新年会のシーズンですね。きっと世界のあちこちで「乾杯!」の声が聞かれたことでしょう。それにちなんで、今年最初の巻頭言は「乾杯の歌」(歌劇「椿姫」から)で始めたいと思います。https://youtu.be/GT...
表(ひょう)裏(り) アダージョとフーガ モーツァルト2024.12.25 09:31サンタクロースがそりに乗ってやってくることもあってか、12月はルロイ・アンダーソン(20世紀アメリカ)の「そりすべり」をよく耳にします。 https://youtu.be/gAZXuASwLKg そりすべり R・アンダーソン そういえば、モーツァルトにも「そりすべり」という曲があ...
おむすび❤と第九「第九」初演200年⑥2024.11.25 23:11めったにテレビを見ない私ですので、国民的番組たる大河ドラマも紅白歌合戦も、長い間見たことがありません。同じNHKの朝ドラもほとんど全く見てこなかったのですが、今放映中の「おむすび」だけは9月開始から欠かさず見ています。理由は私の出身地の神戸が舞台であることと、来年の阪神淡路大震災...
陽はまた昇る「夜明け」 グリーグ ラヴェル レスピーギ R・シュトラウス2024.11.25 22:51霜月(しもつき)の名のとおり、冷え込みの厳しい11月です。それに加えて、雨が多く夜も長い バンクーバーともなると、夜明けの光が千金に値しますね。いかに高度な社会生活を営んだとしても、人間も結局は動物の一種ですから、宇宙や地球環境のリズムの中で生きています。朝の日光を浴びるのが心身...
天下人の聴いたクラシック 千々の悲しみ ジョスカン・デ・プレ2024.10.26 03:05アメリカのテレビドラマ「SHOGUN」が、今年度のエミー賞の各部門を総なめにしました。エミー賞は、テレビドラマの年間最高傑作に与えられる栄誉で、映画のアカデミー賞に匹敵します。「SHOGUN」はアメリカ人作家の同名小説が原作で、今回が二度目のドラマ化ですが、一度目も北米の人たちに...
アマチュア参加ガン患者と第九 「第九」初演200年⑤2024.09.25 15:49日本のテレビ番組には音楽関係のものが数多くあります。ギネスブックで、クラシック音楽の長寿世界一の番組と認定された「題名のない音楽会」を代表として、ジャンルにかかわらず、各放送局が趣向を凝らして作り上げた音楽番組は、さながら百花繚乱の趣があります。
不眠の友 ゴールトベルク変奏曲 バッハ2024.09.25 15:29昔から「秋の日は釣瓶(つるべ)落とし」というとおり、すっかり日の入りが早くなりましたね。 最近は「釣瓶」を知らない人も増えてきて、このことわざもあまり通じなくなりましたが…。秋の夜長は、虫の音を楽しんだり読書にいそしんだりするのが、この季節定番の過ごし方でした。 しかし、なかなか...