表(ひょう)裏(り) アダージョとフーガ モーツァルト2024.12.25 09:31サンタクロースがそりに乗ってやってくることもあってか、12月はルロイ・アンダーソン(20世紀アメリカ)の「そりすべり」をよく耳にします。 https://youtu.be/gAZXuASwLKg そりすべり R・アンダーソン そういえば、モーツァルトにも「そりすべり」という曲があ...
おむすび❤と第九「第九」初演200年⑥2024.11.25 23:11めったにテレビを見ない私ですので、国民的番組たる大河ドラマも紅白歌合戦も、長い間見たことがありません。同じNHKの朝ドラもほとんど全く見てこなかったのですが、今放映中の「おむすび」だけは9月開始から欠かさず見ています。理由は私の出身地の神戸が舞台であることと、来年の阪神淡路大震災...
陽はまた昇る「夜明け」 グリーグ ラヴェル レスピーギ R・シュトラウス2024.11.25 22:51霜月(しもつき)の名のとおり、冷え込みの厳しい11月です。それに加えて、雨が多く夜も長い バンクーバーともなると、夜明けの光が千金に値しますね。いかに高度な社会生活を営んだとしても、人間も結局は動物の一種ですから、宇宙や地球環境のリズムの中で生きています。朝の日光を浴びるのが心身...
天下人の聴いたクラシック 千々の悲しみ ジョスカン・デ・プレ2024.10.26 03:05アメリカのテレビドラマ「SHOGUN」が、今年度のエミー賞の各部門を総なめにしました。エミー賞は、テレビドラマの年間最高傑作に与えられる栄誉で、映画のアカデミー賞に匹敵します。「SHOGUN」はアメリカ人作家の同名小説が原作で、今回が二度目のドラマ化ですが、一度目も北米の人たちに...
アマチュア参加ガン患者と第九 「第九」初演200年⑤2024.09.25 15:49日本のテレビ番組には音楽関係のものが数多くあります。ギネスブックで、クラシック音楽の長寿世界一の番組と認定された「題名のない音楽会」を代表として、ジャンルにかかわらず、各放送局が趣向を凝らして作り上げた音楽番組は、さながら百花繚乱の趣があります。
不眠の友 ゴールトベルク変奏曲 バッハ2024.09.25 15:29昔から「秋の日は釣瓶(つるべ)落とし」というとおり、すっかり日の入りが早くなりましたね。 最近は「釣瓶」を知らない人も増えてきて、このことわざもあまり通じなくなりましたが…。秋の夜長は、虫の音を楽しんだり読書にいそしんだりするのが、この季節定番の過ごし方でした。 しかし、なかなか...
天使のラッパ? コーラングレの名曲2024.08.25 07:09語源のお話です。8月は英語でAugustですが、これは古代ローマの初代皇帝であるアウグストゥスの名に由来します。7月は暗殺された執政官シーザーのファーストネームであるジュリアスからJulyとなりました。ローマ時代の暦の1月から6月までは、もともとローマの神々に由来する月名でしたが...
死への怖れと超克(ちょうこく) ジンクスと第九 「第九」初演200年④2024.07.26 02:55先月、バンクーバー交響楽団(VSO)のコンサートで、マーラーの交響曲「大地の歌」を聴きました。この曲は、2020年の同楽団のプログラムにも入っていたのですが、コロナによるパンデミックで、その年のコンサートの多くが中止になったため、これも聴くことができないままでした。そして、4年が...
世界一の怪曲 暗い日曜日 ダミア歌2024.07.26 02:401.痛ましいストーカー殺人のお話として、4月号でご紹介した歌劇「カルメン」は、19世紀フランスのビゼーの作です。このオペラには、カルメンの死を予告する巧みな伏線がいくつか仕組まれています。その中の一つに「カード占いのシーン」があります。夜のつれづれに、密輸団の若いロマ(ジプシー)...
機関車・ラグビー大好き男 パシフィック2‐3‐1 オネゲル2024.06.26 04:49日本では、6月末から夏の「全国高校野球大会」地方予選の火ぶたが切って落とされます。気温がすでに30度を超えている地域も多く、8月末の甲子園球場における日本一決定まで、暑い熱い戦いが続いていきます。夏の全国高校野球選手権は100年を優に超える大会ですが、近年の地球温暖化による気温上...
日本初演は塀の中 武士道と第九 「第九」初演200年③2024.05.25 14:00ベートーヴェンの「第九」初演は1824年5月のことですので、今月でちょうど200年経ったことになります。場所はウィーンでした。 では日本初演はというと、それからほぼ1世紀のちの1918年6月。場所は徳島県でした。日本におけるベートーヴェンの大作のプレミアが、文化の中心の東京でなか...
おそるべき17歳 モーツァルト メンデルスゾーン ビゼー2024.05.25 14:0014の時は二度とない。そういう言葉を残した人物がいます。徳川家康の息子の一人、徳川頼宣(よりのぶ)です。大阪冬の陣で侍として初陣を飾った彼は、翌年5月の夏の陣では、先陣(先駆け)を希望しました。しかし、まだ14歳という若さを理由に家臣たちに願いを却下されてしまいます。悔しさのあま...