名誉会長・桑原誠也さん 追悼

(2025年2月19日 リッチモンド仏教会でご葬儀)
2月5日の午前11時、桜楓会名誉会長の桑原誠也さんが亡くなりました。93歳と11カ月の生涯でした。わかっていたとはいえ、胸にぽっかりと大きな穴が開いてしまったようでした。
誠也さんとは桜楓会でご一緒する前からのお付き合いでしたので、かれこれ30年近くになると思います。誠也さんも私と同じ時期にここバンクーバーにいらして、カナダでの新しい生活に挑戦されていました。これまでの人生の最初の30年間は一生懸命学び、次の30年間は奥様と一緒に自らの事業と子供たちを大きく育て、そしてその次の30年間で新しい生活に挑戦し、コミュニティで悔いのない充実した毎日を送るんだ、とよくおっしゃっていました。まさにその通りの人生でした。
誠也さんは1992年に桜楓会に入会され、1998年に桜楓会会長に就任されました。それから2008年までの11年間を会長として、みんなを楽しく力強く引っ張って行ってくれたのです。その頃私はまだ桜楓会の活動には参加していなかったのですが、今や恒例となった桜楓会の海外旅行も、誠也さんが会長をなさっていた2008年9月に始まったと聞いています。最初は「アラスカ・クルーズ」で、なんと61名が参加したそうです。ライオンズゲートブリッジの下を通過する白い巨船に魅せられて、アラスカ・クルーズを決めたそうです。さぞや楽しかったことでしょう。私が桜楓会の海外旅行で誠也さんとご一緒したのは2016年2月に行ったキューバ旅行でした。この時は20数名の皆さんとの旅行でしたが、例に漏れず楽しい旅でした。誠也さんはとても人懐っこいフレンドリーな方で、すぐにいろいろな人たちと仲良くなってしまうのです。あの日もプールでアメリカ人たちとビール片手に楽しげに話していた姿が今でも目に焼き付いています。
2月5日は哀しい日となりました。リッチモンド病院でご家族と一緒に最期を看取ることができたことが、せめてもの救いでした。病状は一進一退でしたが、それでも誠也さんは希望を捨てることなく、いつも「さぁ、これから新しいステージだ。頑張るぞ。」と前向きで、お見舞いに伺う我々がいつも元気づけられる有様でした。病院の医師や看護師の間でも、誠也さんは非常にポジティブな方、という評判でした。2か月に亘る厳しい闘病生活でしたが、そんなことが想像できないくらい、最後は穏やかなお顔でした。まさにコミュニティにとっては巨星堕つ、であります。
尊敬と、心からの哀悼の意を表します。
2025年2月9日 前会長久保克己