2024年12月、ウィーンに16日間の楽しい旅をした。直接のきっかけは後に述べるが、旅の道連れは息子ジョン、義理の娘アロイシア、孫ソフィー、この一家のお手伝いのキャシー、私の五人が枢グループで、息子夫婦の友人二人とアロイシアの従姉は先に着き先に帰り、この三人は私達に加わったり単独行動だったり、時として人数の変わる一団だった。ホテルはウィーンのどこからもその尖塔が見えると言われるシュテファン大聖堂のすぐ近くで、ウィーン滞在中のモーツァルトが住んだ家とは背中合わせである。
我々の泊まっているウィーンの中心地には中世に建築された聖堂の数々、何世紀か前の精巧な浮き彫りを誇る建物、多数の美術館、立派なオペラハウスなどあり、古き物を尊重し保存し活用する精神を実感した。道路は人、馬車、自動車、路面電車が共有していて互いに譲り合う。何と素晴らしい街だ!
シュテファン大聖堂
モーツァルトハウス博物館
12月12日のウィーン到着の時には既に街中にクリスマス飾りが見られて印象的だった。街をあげてクリスマスを祝う感じがした。二番目の写真のように日にちが日毎に変わるのもあれば、三番目と四番目のように昼と夜では変わって見える飾りもある。
クリスマスマーケットはあちこちの聖堂前の広場など、スペースあればクリスマスマーケットありで、手作りの品々が並んで、見ていて楽しい。写真はあちこちのクリスマスマーケットの売店の寄せ集めである。
クリスマスマーケットで欠かせないのがスパイスを入れて温めたグリューヴァイン(英語でマルドワイン)。屋台によってクリスマスを描いたマグカップに入れたのもあれば、靴下の形をしたカップもあって、飲み終わった後にカップを返すと3ユーロのお金が戻ってくる。ソフィーは靴下型のカップが気に入って、赤、青、白、灰色など合計6個くらい集めていた。
着いた翌朝ホテルの朝食に行ったら、我々五人のために角の窓辺に席が用意されていた。食事中に窓の外に馬車が通り、懐かしさが込み上げて来た。イギリス、チョートンにあるジェーン•オースティンの終の棲家で、ジェーン、母、姉、友人の四人の食事中に窓外に馬車が通り、「あら、… 家の息子さんが帰って来たのね」と言い合った。馬車の中の当人も「前を通った時にオースティン家のご婦人達が食事しているのが見えた」と書いている。その話を説明しながら私は窓外の馬車という追体験に少し満足していた。翌朝、珍しく早起きした息子夫妻が外から“Good morning!”と呼び掛けてから中に入って来て朝食に加わった。
(次号に続く)
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