12月2021.12.25 18:00庭先の葱を加へし納豆に師走の朝が動き出しゆく 誰しもがやることが多すぎて、師走の朝はなかなか埒が明かないようです、、、ターキーでいい塩梅にミルポワとスープを啜るクリスマスのあとここで言うミルポワはフランス料理でよく使うひとつの方法で肉類、家禽類の灰汁とり用のじゃがいも、人参、セロ...
11月2021.11.26 05:05八つ手の花浮かぶ遺愛の蹲に向かへば母の俤に立つ庭の木々が冬支度をする頃になるとヤツデの白い花だけが咲きます。ちょっと形がコロナに似ているところが気になりましたが…。霜月の庭の配置によく似合います。そんな物侘びしい中、母の面影に耽りました。肩抱き手を握りあふオブジェあり小雪となりし...
10月2021.10.26 02:19☆ 葦原に身じろきもせぬ青鷺はわれとは違ふ時を持つらむ私の住むデルタ地区はフレーザー河の河口にあり、大変動植物の繁殖には恵まれた環境です。そのため自然保護地区とか渡り鳥のサンクチュアリなどがあり、そこでは白雁や白頭鷲を始めいろいろの渡り鳥やビーバー等の小動物を見ることができます、...
9月2021.09.25 22:33二人して墓を選んだ帰り道見上げる空にヒツジ雲浮く秋のお彼岸も近づいてきますが彼岸のことは誰しもあまり考えたくないようです・・・しかし誰しもが避けて通れないことです。この世に生きた証としてどんな姿の物を選んで決めたとしても、残された人の為でなく自分たちが心の拠り所になれれば、それで...
8月2021.08.26 02:06国のため死ねるか否か若人に問ひてみたしと思ふ八月収容所の酷な営み語りかくGreenwoodの博物館は 一首目は、八月という語を聞くだけである年齢以上の日本人なら戦争や原爆を思い出します。運命的とはいえ特攻隊の御霊には痛恨の極みであります。戦後76年が過ぎ、...
6月2021.06.25 18:47ヘルシンキの街の夕暮れオーロラとミッドナイトサンに誘われし旅剪定の終はらぬままに実をつけて日陰を作るわが家の葡萄 バンクーバーは高緯度の街ですが、暗闇とロマンを求めてさらに緯度の高い北欧へ旅した時の歌が、一首目です。今では感性の豊かさも体力も衰えましたが、景勝地を訪れた...
5月2021.05.26 02:56「恐るべき君等の乳房夏来る」 わが青春に三鬼の句あり予科練に行きて帰らぬ兄をふと思ふキャビンのほの暗き灯に一首目は、西東三鬼は戦後の俳句会を俳諧味に満ちて牽引した気鋭の俳人でした。上の句はその引用ですが、自分が最初に結句を「わが青春にありし思ひぞ」としましたが三鬼の有名な句とあり...
4月2021.04.25 22:47白玉粉と上新粉を混ぜた拵えもののよもぎ餅やうぐいす餅はこの時季の逸品です。そんな蓬が思わぬところで見受けられ、この街に暮らせる良さも一入です。二首目は戦後まもなく彦帯を締めて紺絣の着物を着たセピア色した写真に出遭った時のものです。撮った場所は黒光りした上がり端です。背くらべの歌を...
3月2021.03.25 22:03お雛様に雛あられを供えたあとで、レッドビーツの色合いが程よく指先の腹について落す気もなかったのですが、、、春の歓びを歌にのせて見ました。そして2首目は啓蟄(けいちつ)も過ぎたばかりですが、一度だけ鳴った春雷の合図を確かに捉えた気持ちと老いゆく現実を歌いました。春野菜サラダ彩るレッ...
2月2021.02.25 23:40この冬は割と過ごしやすい日が続きます。このまま春の光あふれる日和になりコロナも落ち着くことを祈っております。 さて、今月の歌は孫が小さいときの回想ですがいとけない日の爺との思い出に繋がるかもと信じて…。そして二首目は会を通じて四季折々の催しや旅行等を共にした良友との儚さの侘歌です...
1月2021.01.25 23:40一日でも早いコロナの終息と共に皆様方のご健康をお祈り致します。元来なら瑞光に満ちたお正月様の当来が、禍々しい年明けであったことは残念でなりません。私は退職と同時に桜楓会とバンクーバー短歌会に入会させて頂き、その間、大変貴重な体験をさせて頂きましたことには感謝しております。そこで今...